エクセルシア盛岡中央高校デジタルブック
135/174

Report 平成28年12月14日~16日、龍澤尚孝法人本部本部長、藤村繁男法人本部経営企画室室長に随行して、韓国安山市安山江西高等学校を訪問しました。目的は、国際姉妹校交流協定締結式に参加することと併せて活発な交流に向けた学校の見学です。 安山市は韓国の首都ソウル市の西南に位置し、ソウル市、仁川空港からともに車で1時間以内の距離にあります。人口約76万、先端産業都市、緑の環境都市、海洋観光都市、文化芸術の都市、多文化社会の都市と称される西海岸地域の中心地です。比較的新しく開発された都市で計画的に整備された片側3~4車線の広い道路、広大な工業団地、そこでは東南アジア中心の労働者が多数就労しているまさに国際都市の様相を呈しています。 安山市には、24校(公立15校、私立9校)の高校があり、公立、私立の区別なく入学選抜は地域の中学生希望者から抽選で選抜しているとのことです。日本とは全く異なるシステムで驚きました。 安山江西高等学校は、医学博士の朴昌玉理事長が私財を投じて1988年に設立されました。「祖国と人類に永遠に貢献し、国を愛し責任を尊重し絶えず探求し楽しく奉仕する自由人を育成する。」ことを基本とし、「人生の価値を正しく理解し、まじめに努力する徳性と合理的な考え方をもって自律的に行動する知恵を育て人生に対する正しい信念と健全な人格を整える。」ことに最善を尽くすと建学の精神に謳われています。経営方針では、「学校は学びの所、学校は生活の基盤、開放経営、清潔で快適な学習環境造成」とあり、朴理事長の高邁な教育理念が示されています。校訓は「創造的な探究者、奉仕する自由人」、校木は進取的な姿勢、剛健な気性、無窮な発展を意味する「ケヤキ」、校花は純潔と高貴さ、希望の先駆者、気品のある気性を意味する「モクレン」、校鳥は高い理想、創造的な熱情、輝く未来を意味する「クジャク」と定めています。日本の高校では学校独自に定めている所は少なく興味を感じました。学校の規模は、1クラス30人で各学年15クラス、生徒数約1,350人、教員数約100名と本校の1.5倍、男女比はほぼ1:1の大規模校です。 韓国の教科科目は日本のそれとよく似ていますが、語学教育は日本よりもはるかに進んでいる印象です。特にも日本の大学にあるような第2外国語の授業が実施されています。日本語と中国語の選択で、安山江西高校は約50%の生徒が日本語を選択しています。他校では日本語の選択が30%ぐらいですが、江西高校で選択者が多いのは日本語教師である金敬澤先生の人気のお蔭だと自賛されていました。前述したように、入学者を抽選で決定していますが、先生方の献身的な教育により、毎年ソウル大学に複数名、高麗大学・延世大学等の有名大学にも10~20名合格させていると朴理事長は誇らしく語っていました。朴理事長が生徒の肩を抱き親しく話しかけられている姿は「生徒中心の学校」という、ぶれることのない教育理念をもって学校経営に当たられてきたことを示す印象的な場面でした。中央高校生に似た純朴な江西高校の生徒たちを目の当たりにして、今後活発な交流が大いになされるものと確信いたしました。(盛岡中央高等学校副校長 千葉 研二)Visit to ANSAN GANGSEO High School, South Korea 2016.12.14-16韓国訪問記 2016.12.14-16朴昌玉理事長(医学博士)と龍澤尚孝本部長EXCELSIOR vol.18133

元のページ  ../index.html#135

このブックを見る