エクセルシア盛岡中央高校デジタルブック
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 「global(グローバル)」という単語が、政治、経済、科学そして教育の場でキーワードとして使われている。「地球(世界)全体の」という意味の他に「包括的な」というニュアンスを含むこの言葉で表される人材とは、いったいどのようなものであろう。それが、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズに代表される世界的な企業を創業するような特異な才能を持つ人材を意味するのであれば、ハードルがあまりにも高すぎると思われるかもしれない。確かに、彼らの成し遂げたような業績の実現には、99パーセントの努力と1パーセントの運が必要だと言う人もいるだろう。それでも、99パーセントの努力なくしては、彼らの成功はあり得なかったはずだ。本講座をご指導いただいた東京海洋大学の小松俊明教授は、著書でもあるテキスト「ACTIV」の中で、グローバル人材を「どこでも誰とでも働くことができ、世界に共通する課題を解決するために、積極的に社会に貢献する意欲と行動力、そのための能力を備えている人間」として定義されている。日本の教育の長所である知識集約型の学習に加え、意欲を集団の中で表現し行動に結びつける体験を通して、能力を最大限に活用できるような人となる講座がこのアクティブラーニングであると言えるのではないだろうか。 平成28年度6月から7回にわたり実施されているこの特別講座は、環境問題への取り組み、元日本人大リーガー、世界的コーヒーチェーン店、さらに一地方都市のまちづくりの取り組みなど、多岐にわたる実例を教材に、現代社会をリードする人材に求められている能力を、生徒個々の考察とグループ討議から仮説を立て、全体に発表し共有するという形で進められてい課題探求型特別講義の実践~グローバル人材育成アクティブラーニング・全7回~Special Lecture of Active Learning by Prof. Toshiaki Komatsu盛岡中央高校 教育企画部主任 糸井 眞一(教諭・物理担当)▲Cool Japan。「有田焼」の新しい販売ルートを開拓。 講義では自ら思考することを目的とした課題が提起されている。Made in Japan, designed in Singapore1)なぜ抵抗があったのだろう?2)どうして受け入れたのだろう?3)「新しい価値」を考えてみよう!特別授業EXCELSIOR vol.18153

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