エクセルシア盛岡中央高校デジタルブック Vol.20
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Looking Back on the Forum このたび、CHUO国際教育フォーラム20周年を記念して「エクセルシア20号」記念特集の発刊を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。 私は2002年度から校長として盛岡中央高校に勤務し、第4回CHUO国際教育フォーラム以降第18回フォーラムまでの15年間、本校の国際人育成教育プログラムの一つであり、集大成的役割を果たす本校のイベントを主催してまいりました。 このフォーラムは1999年度から毎年昇龍祭(文化祭)に合わせて生徒会や実行委員会が中心となって開催しており、第1回フォーラムでの共同宣言で確認された「21世紀のリーダーは私たちだ」と「地球規模の課題解決に積極的に協力・努力し立ち向かっていこう」というその精神が、現在でも脈々と引き継がれているものです。 ちょうど、着任した第4回フォーラムのテーマも「新時代に深め合う相互理解と友情の絆:Global Friendship」で、各国の生活や文化、習慣について話し合い、民族を越えて価値観の違う人々との交流を重ね、国際人を目指そうというものでした。世界10カ国からおいでの生徒、先生30名の代表と情報交換することによって、国際人としての基礎や考え方が育まれました。 また、当時の我が国のグローバル化も急速に進み、モノやカネの流通からヒトや情報への交流へ、さらには一部の人たちの交流から草の根の国際交流へと大きな質的変化を遂げつつあり、今後ますますグローバル化が進化することが 予測されました。そのため、チャレンジ精神やリーダーシップ、語学力やコミュニケーション能力、異文化理解力などを「進化するグローバル社会に求められる力」として位置づけ、全国高校教育界の中でいち早くグローバル人材育成 に重点を置いた教育活動に取り組みました。このフォーラムをはじめ短期語学研修、海外修学旅行、短期・長期の海外留学、進学・留学コースの充実、海外姉妹校交流派遣 (2018年度世界5大陸に海外姉妹校23校)、文部科学省によるスーパー・グローバル・ハイスクールのアMasaichi Tomisawa6th Principal of Morioka Chuo High School マコトの草の種まき盛岡中央高等学校 第6代校長 富澤 正一ソシエイト校の指定などの育成事業によって、生徒一人ひとりの心に熱い火を灯し、進化するグローバル社会に求められる力を醸成してきました。結果、英語検定1級の合格者や全国高校生国連大使代表、東大、東北大などの難関大学の輩出など、一定の成果を収めることができました。 なお、退職時 (2018年度)の第18回フォーラムでも「持続可能な世界を作ろう:Creating a Sustainable Society」というテーマでした。これは地球規模の課題解決に当たっては国境を越えての協力・協調によって、新たな価値観や行動を生み出し、世界規模で活躍できる国際人を目指していこうと設定されたもので、発足当初の共同宣言の趣旨を生かしたものです。これからも、本校のこのフォーラムを通して、国際姉妹校や海外からおいでになった各国の皆さんと共に夢や志を語り、主体的・協働的に学び、行動するための能力や態度を育むことによって、世界規模で活躍できる数多くのグローバル人材の育成を目指していくことを念願しています。 最後に、岩手が生んだ童話作家・宮沢賢治が唱えた「世界全体が幸福にならない限り個人の幸福はない」の意をもって、グローバル時代の次世代リーダーとして活躍する人材こそが「マコトの草」であると思います。 今後とも、本校の国際人育成教育事業がますます充実発展することによって「マコトの草の種」を蒔き続け、岩手から世界の様々な舞台で活躍できるような人材が育っていくことを期待したいと思います。EXCELSIOR vol.20116

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