エクセルシア盛岡中央高校デジタルブック Vol.20
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う元気もなくなりかけていました。 ちょうどその頃、学校の体育の授業の時に、私たち留学生チームと現地の生徒のチームでバレーの試合をしました。その試合中、相手のチームの人たちが私たちをからかってきたり、わざとボールを滅茶苦茶に打ったり、顔めがけて投げられてきたりしました。英語で言い返せない、説明できないことで、とても悔しい思いをしました。もちろん、そんな人は一部だけで、学校の先生も他の生徒たちもとても優しい人たちでした。ただ、この授業がきっかけで、「いつか絶対見返してやる!」という気持ちが沸々と私の心の中でわいてきました。 初期の頃は生活するだけで精一杯で、特に努力していたことはありませんでしたが、中期の頃くらいから、自分から英語で友達やファミリーに話しかけに行くようにしたり、授業中に先生に進んで質問したり、宿題は必ず条件を満たして期間中に提出するなど、自分なりの目標を立てて行動するようにしました。目標を立てて生活をしていたおかげで、ようやく成果を感じるようになりました。例えば、学校では仲の良い友達ができ、自然と英語を話す機会も増えていきました。ファミリーとの会話でも文章で返せるようになり、以前よりも会話がスムーズになったのを感じつつありました。授業でも理解できるまで質問したり、分かるところは自分から手を挙げて発言したりしているうちに、先生からの評価も得ることができました。 留学後期になると、留学生のみのクラスから現地のクラスに移り、授業も課題も難しくなっていきました。それまでは、課題提出の期間を守ることだけ意識していましたが、課題の質を高めて「A+」を取ることを目標にして時間をかけて取り組むようになりました。先生に課題の内容を何度も確認して、タスクシートに沿ってできているかを確認し、繰り返し自分の英語を読んで間違いがないかどうかを確認。期限より早めに終わらせて、ファミリーや先生に一度見てもらってから提出するようにしました。その結果が出て、最後に近づくにつれて課題の評価も上がり、最期のタームでは一番いい成績を取ることができました。クラスが変わってからは留学生の子以外ともより話すようになり、普段の会話などは楽しみながらできるようになりました。ファミリーの方たちとの会話でも、自分から話しかけたり会話に入る努力をしたりしいくうちに、みんなのペースに合わせて会話することができるようになっていきました。最初の頃は私に合わせてファミリーがゆっくり話してくれていましたが、この頃になると、みんなと同じ速さで会話に参加できるようになっていました。 この留学を通して、私が学んだことは、挑戦し続けることの大切さです。留学前は何に対しても特に努力せず、積極性に欠けていました。それは、日本で生活している時にそこまでの努力をせずともʻなんとなくʼでやり過ごせていたからでした。しかし、オーストラリアに着いてからは何も分からず、学校生活も普段の生活もままならず、学校が始まってすぐに自分があまりにも何もできないことにショックを受けました。そこで、「自分から動かなければ何も変わらない、落ち込んでいる暇があったら行動しよう」と、意思を決めて動き出しました。自分は何もできない、分からないと自分に言い聞かせたら、ならば失敗するのは当たり前だろうと、ためらわずにいろいろと挑戦できるようになりました。授業中に発言する、先生に質問する、自分から友達をつくりに行く、間違いを恐れず話してみるなど、分からなくても、失敗するかもしれなくても、まずやってみようという意識で、なんでも自分から進んで行動してみました。それが、留学中期から後期にかけて目に見える成果として実感できました。日本にいた頃はʻ努力は必ず報われるʼなんて、成功した一握りの人の希望論だろうと全く信じていませんでした。しかし、実際にオーストラリアで自分に失望してから、思いつくだけの努力をし、それが結果に現れた時、挑戦し続けることの価値を学ぶことができました。それに気づけたことが私が留学を経て得ることが、できた、英語力以上に大切なものです。これは、これからの生活で絶対に生きてくることだと思います。 今後の目標としては、英検準1級取得、TOEIC700点を目指して努力していきたいと思います。 私の留学の目標の1つめは英語力を身につけること、2つめは海外の人や文化に触れることでした。英語力に関しては、特に話す力がついたと感じました。今後は、まだ分からないところが多い文法と単語力をつけていきたいです。2つめに関しては、オーストラリアには多くの国の方々が住んでおり、そして私の学校も生徒もいろんな国から集まった学校で、他国の文化を感じることができました。帰る頃にはオーストラリア人、中国人、韓国人、ベトナム人、インド人、フランス人、メキシコ人などなど、いろんな国の人たちと友達になることができました。 最後に、私が1年間もオーストラリアに留学できたのは、先生方、友人、そして家族支えのおかげです。この感謝を忘れずに今後も努力を続けていきたいです。EXCELSIOR vol.2084

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