エクセルシアVol.21
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出に対して、間接的な影響力を持っている。一般的に法律は、社会のステレオタイプを増進している。結果的に、女性不在の政府ができたり、ステレオタイプが広がったり、経済発展のためという名目で、女性から仕事が奪われたりしている。 次に各国からの例をみてみよう。インドネシア:政策の最大の問題は、非一般的な労働者、その多くが女性なのだが、彼らに対する保護がないことである。彼らは大変不安定な状況に取り残されている。たとえば、労働中の事故などに対する賠償はない。オーストラリア:政府における女性参加のクオーター・システム(人数の割り当て制度)はないが、二大政党のうちの一つ、オーストラリア労働党はこの制度をとっている。1990年代に、この政党は、当選者の35%は女性であることという目標を立てた。この割り当て数によれば、現在、労働党の47%が女性である。女性と男性の数が同じであるということは、肯定的に受け止められている。日本:男女雇用均等法などによって男女の平等が法律の中に入っている。しかしこのような法律は、日本社会の実情を示しているとは言えない。例えば、女性にハイヒールを履くように強要するのをやめるように会社に要求する署名運動をおこしても、政府は動こうとせず、変化は起こらない。UK:ジェンダーの平等の促進を妨げるような法律が沢山存在する。例えば、活動家が女性の生理用品にかけられる贅沢品税の撤廃のための活動することの困難さや、スカート内を盗撮された被害者を保護する法律を新たに制定することに対する国会議員による反対などである。韓国:女性が社会のある役割を果たすことを妨げている法律が依然として存在する。例えばポリスアカデミーの女子生徒は全体の10%しか認められていない。残りの90%は男性である。韓国の国家人権委員会はそれに対して、同一テストによって警察官を採用すべきであるという提言をだしたが、女性の警察官は体力を必要とする仕事に向いていないとしてその提言は、無視された。 私たちは以下の解決策を提案する。・政府において、個人を代表し、個人の必要に答える独立した機関が必要である。・性別、伝統に関係なく、個人はどのような生活を家や職場でおくるのか、自ら決定することが可能であるべきだ。このことを考えて、私たちは自分たちの伝統を再考し、どのように現代社会に合うようにすべきか考える必要がある。伝統のためだからと言って、女性が100年前に扱われていたように扱われるべきではない。・女性に対する社会の考え方、見方を変える必要がある。女性は自分たちの権利のために発言することができ、男性と同様に尊厳を認められるべきだ。社会の見方や考え方を変えるには、時間がかかる。ジェンダーの平等について次の世代は学校で教えられるべきであり、彼らの主要な教育者である彼らの両親は、メディアなどをとおして、ジェンダーの平等について教育されるべきである。各国は女性が、その国の発展する未来であることを認識すべきだ。職場 職場はジェンダーの平等を達成するために重要な場である。私たちは女性の社会進出のために4つの重要な分野を確認した:採用方針、職場での平等な機会、子供の養育の責任、職場の環境。インドネシア:インドネシアの会社は経済優先で、労働者個人の生活についてはあまり考慮しない。多くの女性が産休をとるため会社は女性を雇用しないようにしている。保育園などの子供を世話する施設は不足しており、貧しい家庭では、自分たちが子供の面倒を見ること以外選択肢がない。結果的に母親は働くことができない。日本:日本では女性の平均給料は男性の半額である。さらには、50%以上の女性労働者は正規雇用ではない。故に彼らは法律によってそれほど保護されておらず、いつでも解雇され、保険などの補償もない。日本には産休や育休があるが、すべての人が休めるわけではない。契約労働者や働いて1年ほどの労働者は育児休暇を取ることができない。さらに、たった6%の男性しか育児休暇を取らない。このことは、男性は育児にあまり参加していないということを意味している。フランス:フランスではある一定の仕事に関してジェンダーの割当制度がある。その結果、経験ではなく、性別で雇用されるということが起こっている。このような逆差別は女性のスキルに関する考え方を変えているかもしれないが、持続可能な解決策とは言えない。フランスの女性は、男女の賃金格差、セクシャルハラスメントなどの問題を抱えている。それらの問題によってBalance ton porcという運動がおこった。フランスの母親は父親よりも10倍長い16週間の産休をあたえられる。このことによって、育児休暇から戻ってきた母親は、男女の大きな賃金差を受け入れなければならず、男性は、家庭でより長い時間を過ごそうとはしない。子供の世話をする施設が不足していることも問題である。子守を雇えない場合は、片親、多くの場合母親なのだが、家にいて子供の世話をしなければならない。台湾:職場環境は大変悪い。上司は女性をいじめ悩ませるが、女性は伝統的な考えのために声を上げることができない。しかし、変化も起こっEXCELSIOR vol.2129

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