エクセルシアVol.21
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ることに抵抗を感じている。儒教がジェンダー平等の妨げになっているということができる。 解決策として提案されたのは、宗教に対するクリティカルな考えを奨励すること、それには現在の社会にあったようにもう一度、宗教を理解しなおすということである。また、言論の自由も奨励されなければならない。教育 教育は社会をよりよくするために欠かせない。若者が人生を通して持つ価値観を決定付けるに際して、多大なる役割を果たすのが教育である。女性の社会進出は女性の教育水準と深く関係している。世界において女性が受けられる教育には様々な違いがある。オーストラリア:大学に入学したオーストラリア人の学生の58 %が女性である。しかし、教科による男女差があり、数学や科学を専攻している学生の中の女性の割合はわずか4%である。女性がこれらの分野を専攻することを奨励するために奨学金制度がもうけられたり、土木建築科への合格点が女性のために低くもうけられたりしている。日本:高校教員の80%が男性20 %が女性であり、高校教員の間では、ジェンダー平等に関する教育はいらないと感じている人が多いという調査結果が出ている。女子生徒の高校卒業後の進学率は低く、そのことは彼女たちの雇用の際に影響を及ぼしている。フランス:フランスの学校の教員はほとんどが女性である。男性教員は、伝統的に男性の教科とされる数学や、体育などを教えている、しかし、中高の上級の学校に進むと教員の多くが男性となる。年配の教員は伝統的な男女のステレオタイプを強調する傾向がある。男子生徒は高額の給料が得られるような職業を目指すように奨励される。フランスの最も優秀な大学では、わずか18%が女子である。台湾:40歳以上の年配の教員は、男子は男子らしく、女子は女子らしく、と教えている。このような教育はジェンダーの差を広げるだけである。基本的な教育から変化はもたらされなければならない。 このような問題を解決するために以下のことを提案する。・男女の服装、勉学に対する姿勢など、それぞれの学校がもっと自由に、自ら決定できるようにする。・生徒をジェンダーのステレオタイプから解き放つ。・女子生徒が進学できるように奨学金を設ける。・より多くの女性の教員を高校、大学などの上級学校で雇用する。将来  ジェンダーの平等によって世界の様々な問題が解決するとはいえませんが、性別による差別はなくなるでしょう。将来的に:・すべての人が等しく平等の選択肢を持つ・圧力をかけられることがない・すべての人が人として平等の価値を持つ・他人によって価値判断を受けない結論 今日社会において、私たちには、選択肢がない。法律が差別を禁じ、言論の自由を守ってくれてはいるが、伝統的な無意識の偏見や差別が社会規範に反することを妨げている。 この発表を通して私たちは、女性の問題に焦点をあてただけではなく、大きな意味で、全ての人々のことを考えた。ジェンダー平等の最終的な目標は性別に関係なくすべての人々が平等な機会をもち、尊厳をもって対応されるということだからである。 ジェンダー平等は、また、人々に選択肢を与えるということである。どのような人生を送り、どのような人間でありたいかという選択肢である。この発表を世界人権宣言の第一条の言葉で締めくくる。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は理性と両親とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」 EXCELSIOR vol.2131

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