エクセルシアVol.21
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NEWS & TOPICSとり関わり合うことも大きな刺激になるだろう。3.多文化共生社会の実現を阻む一番の障壁は「自分と違う」ことへの違和感と恐怖だと考える。しかしその障壁は交流活動によって簡単に取り除けるはずだ。私は地域での交流イベントや個人でのSNSの発信、また学んだ文化を友人に伝えるなど小さなところから多文化共生社会は実現できると考える。地域における多文化共生社会の実現に向けて2年SZ1組 鎌田朋乃加1.雲南省での学び 雲南省には15もの少数民族が存在する。日本は基本的には統一民族のため、どのような暮らしをしているのかとても興味を持った。少数民族について雲南省の各都市で触れることが多くあった。どの地のガイドさんもその土地に根差した少数民族の民族衣装を着ており、少数民族が日常にいるという環境にとても驚いた。また、麗江市第一高級中学では民族衣装を着た生徒たちによる舞踊を見た。その後バディとなった生徒にこの踊りは自主的に行っているのかと聞くと、麗江に多いナシ族の踊りを踊るダンスグループで、部活としてやっているのだと教えてもらった。日本で民俗的な踊りといえば、近年年齢層が上がってきており若年層にはなかなかなじみのないものであるが、こうして高校の部活として行っているというのはそれほど少数民族が生活の一部して認識されていると感じた。また、昔少数民族が使っていた文字特にトンパ文字の書かれた看板が日常的に存在していた。民族同士の境界なく暮らしている雲南省の人々の生活は、多文化共生が実現している例であると感じた。2.現状 私の住む盛岡市では、カナダビクトリア市と姉妹都市を結んでおり、私も中学校3年生の時派遣事業に参加した。また、私の学校では、毎年世界20か国ほどある姉妹校から生徒を受け入れ、CHUO国際教育フォーラムを開催している。また、市内にあるアイーナの5階では国際交流センターが設けられており、初級日本語講座や多文化共生・啓発セミナーなど海外からの受け入れ、多文化共生に向けた啓発活動を行っている。そして、盛岡市は在留外国人の数が2017年現在で1,437人となっており、他市町村に比べると桁が1つ違うほど外国人に触れる機会は多くなっている。3.課題 しかしながら、日常生活で外国人と関わっているという人は何人いるのだろうか。また、外国人を見つけたとき、話しかけられたときに自信をもって話すことができると答える人は何人いるのだろうか。私の学校には日常的に何人かの外国人がいる。ALTや海外からの留学生である。だが、その人たちと日常的に話しているのはごく一部で、こんなにも身近にいるのにもかかわらず関わらない人はたくさんいる。それはなぜなのだろうか。やはり一番は「言語の壁」ではないだろうか。自分の話す英語またはその他の言語に自信が持てず、話しかけることができないという状況があると思う。それゆえ上記に挙げた盛岡市の取り組みに参加する人も限られている。全員が参加しているというわけではないのである。英語のコミュニケーションが取れないことが大きな課題である。4.まとめ 英語のコミュニケーションが取れるというのはペラペラに英語が喋れるということではないと思う。今回海外EXCELSIOR vol.2192

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