岩手県にある盛岡中央高校の国際Rコースは、豊かな人間性・国際性を育む高校留学プログラムです

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失敗を恐れない

今野 夢月

1 はじめに
帰国報告会2018

私はアデレードのシーフォードセカンダリーカレッジに留学してきました。留学することで、英語力を上げること、他国の文化を学ぶこと、視野を広げることを目的としてRコースを志願しました。そして将来的には、英語を使った仕事に就くか、海外で働きたいという目標を持っていました。
I went to Seaford Secondary Collage in Adelaide to study. I applied to this course for the purpose of improving English, experiencing other country’s cultures, and broaden one’s horizons through study abroad. And I had aim that get a job that use English, or work in overseas in the future.

2 留学すればなんとかなる

留学前は、留学コースは進学選抜クラスとは別でALTの先生との英語の授業があったり、放課後に特別講座があったりと留学のための準備学習の機会が多くありました。しかし、私は自分から英語を使おうとしたり苦手な部分をなくそうとしたりという努力をしませんでした。ALTの先生との授業の時は「日本語を使わずに英語だけを使おう。」と言われたにもかかわらず日本語で質問したり、日本語で話をしたりしていました。自分の英語に自信がなく失敗するのが怖かったというのもあり、積極的に英語を使って苦手を克服しようとしませんでした。特別講座での単語勉強もその時間だけ学習し、家で出来るまで勉強したり復習したりをしませんでした。留学前の私は自分の英語力の低さに危機感がなく、「留学すれば何とかなる。」と留学を甘く見ていました。

3 意識の低さ(留学前期)

当然、その状態で留学に行ったので、全く英語が理解できませんでした。ホストファミリーや学校の先生の会話のスピードについていけず、単語力や理解力もないので全く何を言っているのか分かりません。留学先の学校には大阪と東京から一人ずつ留学生がいました。大阪からの留学生綾香さんとはクラスや選択科目が全部同じだったので、いつも綾香さんと一緒にいました。二人だけの時もできるだけ英語で話すようにしようという意識があってもどうしても日本語で会話をしてしまっていました。また、留学担当の先生が日本語を話せるということもあり、その先生とも日本語で話をしてしまっていました。ホストファミリーやホストメイトが話しかけてくれたり、学校の先生が「分からないところある?」と聞いてくれたりしても、英語の理解力の無さと緊張で、言われたことや聞かれた事を理解してないのに適当に「YES」や「OK」などと答えてしまっていました。後から、聞き直せばよかったと後悔することもあり、自分の英語力の無さを強く実感しました。そして、留学前にしっかり勉強しなかったことをとても後悔していました。

4 諦めないことが大切

一緒にいた綾香さんが2月ごろに帰国し、クラスには日本人は私一人だけになりました。東京から来ていた加藤さんは一つ上の学年で、私や綾香さんが日本語で話しかけても英語で返事をしていて、日本語は極力使わないという意志の強さを感じました。
ところが、綾香さんが帰国したことや、日本語ができる留学担当の先生が転勤したことによって状況が変わりだしました。学校で日本語を話す機会がなくなり、それと同時に不安が強まってきました。ここからは「他人を頼らず、挑戦してみよう。」と決意を固めて取り組みました。
中期にもなれば少しずつ慣れてきて、前よりは聞き取れるようになってきたこともあり、途中から来た同じクラスになったオーストリアからの留学生のソフィとは話すようになりました。しかし、その会話のきっかけはほとんどソフィからで、私から話しかけることはあまりありませんでした。東京の加藤さんは自分から積極的に英語を使って話しかけていました。ある時、なぜ、そんなに流暢に話せるのか聞くと、「英語を勉強しに来ている留学生だから英語を失敗するのは当然のこと。日本人からすると流暢に聞こえるかもしれないけどネイティブの人には何度も聞き返される。だからとりあえず自分のできる限りの英語で説明すれば相手も理解してくれる。理解してくれなくても諦めないことが大切。」と話していました。実際に加藤さんは色々な言い方で相手に意思を伝えようとしていて、英語を話そうとしなかった私よりもはるかに英語力が身についていました。

5 焦りと怖さ

半年が過ぎたころに、ホームステイに新しいブラジルからのホストメイトが来ました。前期のホストメイトとほとんど話さなかったので今度こそは自分から話しかけようと思い、新しいホストメイトに積極的に話しかけてみることにしました。それまでは自分の英語に自信がなかったので自分から話しかけることが怖かったのですが、もうすぐ留学が終わってしまうという焦りから、思い切って話しかけることができたのだと思います。話しかけてみると自分が思っていたより通じて、相手も笑顔で対応してくれました。そこから少しずつ自分から話しかけるようになりました。3学期まではあまり話さなかった生徒と4学期に入ってから少しずつ話すようになりました。今振り返ると、約半年の間は自分の英語では通じないと勝手に思い込んでいました。一度通じなくても何回か繰り返したり言い方を変えたりすると案外通じたので、それが嬉しくて話すようになりました。学校の課題にもだいぶ慣れて、提出期限までに条件を満たして余裕をもって課題を提出できるようになり、分からないところは自分から聞くようにもなりました。

6 事前準備と自分自身への自信

留学を通して、事前準備の大切さと自分に自信を持つことの大切さを学びました。この留学中に、留学前から単語や文法をしっかり勉強していればよかった、もっとALTの先生と英語で話して英語に慣れていれば良かったと何度も何度も後悔しました。留学前にこれらのことをしっかりしていれば留学生活もだいぶ変わっていたかもしれません。そして、ずっと自分に自信がなく、失敗するのが怖くてなかなか行動に移れませんでしたが、思っているより周りは気にしていません。失敗することを恐れずに積極的になり、諦めないことが大切だと思いました。

7 知っていますか?岩手・日本

留学中に、色々な人に「日本のどこから来たの?」と聞かれることが多くありました。「岩手です。」と答えると、必ず「岩手ってどこ?」という反応をされ、知名度の低さを改めて実感しました。東京はもちろん、京都、大阪、北海道などの都市は有名なので知っている人という人や、観光で行ったことがあるという人が多かったです。そして私よりも海外の方の方が日本の様々な土地に行っており、私よりも日本のことに詳しいのではないかと驚かされました。私は地元である岩手についてすらあまり知らず、簡単な紹介すらできませんでした。岩手の知名度を上げ、外国人観光客を増やすにはどうしたらいいのかと思うと同時に、そもそも自分の国のことにもっと興味を持ち、少なくとも自分の住んでいる地域だけでも人に簡単な紹介をできるくらいは知るべきだと思いました。

8 思わぬ出来事

実は帰国3日前まで一週間ほど入院していました。人生で初めての入院で更に海外の病院ということで不安でした。帰国後、先生から聞くと留学中の入院は20年間で私が初めてでした。ここでオーストラリアの病院を紹介します。看護師さんがとても優しくて安心できました。オーストラリアの病院は、自由に出入りできるキッチンがあったり、飲食できたり、映画が見放題だったりと子供がリラックスできるようになっているような雰囲気であると感じました。クリスマスが近かったこともあり、でサンタクロースが病室を回っていたり犬を連れて病室を回るボランティアさんがいたりと、オーストラリアでの入院生活があまり苦にはなりませんでした。

9 次のステップ

今後の目標としては、高校3年生の第二回の英検までに準一級を取得し、国際関係学部に進学したいと思います。将来的には英語を使った仕事に就くことを目標としています。目標を達成するために今まで以上に勉強に励みたいと思います。

10 終わりに

最後に、この留学では先生方や留学コーディネーターさんなど、たくさんの方々に支えられていることを実感しました。特に家族にはたくさん迷惑をかけ、感謝してもしきれないほどです。支えてくださった皆さんには心から感謝しています。

ありがとうございました。